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青春の場所

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駅前に用事があってTSUTAYAに寄った。

床が年期を感じる

当時の記憶が蘇る。

20歳くらいの頃、駅前のTSUTAYAによく通っていた。あの頃はまだスマホもなく、サブスクもなかった時代。映画を観るならレンタルか映画館しかなかったし、CDを聴くにも借りるのが当たり前だった。

TSUTAYAのドアを開けると、独特の匂いがした。新しいケースのプラスチックと、誰かが触れたあとの微かな指紋の香り。店内にはJ-POPの新譜が流れ、ランキングコーナーにはその時代を象徴するCDが並んでいた。レンタルコーナーの奥に行けば、ちょっと埃っぽい古い洋画の棚。そこに並ぶジャケットを眺めるのが好きだった。

俺がよく借りていたのは、海外のインディーズ映画やヒップホップのCD。Nujabesに出会ったのも、たしかここだった気がする。レジの横にはいつも「新作準新作100円セール」のポップが貼ってあって、財布と相談しながらどれを借りるか悩んだ。クレジットカードなんて持っていなかったし、ポイントカードのスタンプを貯めるのがちょっとした楽しみだった。

夜、カットの練習終えてから終電前に寄ることも多かった。適当に5本くらい映画を借りて帰宅。

部屋に戻って、パソコンのデスクにDVDを並べる。どれから観ようか迷いながら、1本目を再生する。そんな時間が好きだった。

あの頃のTSUTAYAの賑わいはもうない。

今はスマホで映画も音楽もすぐに手に入る時代だけど、あの頃の「選ぶ楽しみ」や「借りるワクワク感」は、もう戻ってこないんだろうなと思う。

20歳の俺は、きっと今の俺を想像もしなかっただろう。でも、あの頃あのTSUTAYAで選んだ映画や音楽が、今の俺を作る一部になっている気がする。

ありがとうTSUTAYA。

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